ビジネスにおいて、“SDGs(持続可能な開発目標)”や“SDGsの17の目標”を聞くことが増えてきました。SDGsと聞くが実際何か?説明することはできますか?
私は、SDGsと聞いたことがあるが、知りませんでした。
今回は、“SDGs(持続可能な開発目標)”を簡単に解説します。最後まで読んでいただければ、友人や先輩、部下へ「SDGsとは何か?」を説明できるくらいには知識を獲得できます。
SDGsとは何か?
SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発)」の略称です。2015年9月に国連にて、国連持続可能な開発サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が挙げられ、その中核をなすのが、SDGsというわけです。
SDGsを取り組む対象の国は、国連に加盟する全193ヵ国であり、2016年から2030年までに目指す国際目標です。
ちなみに、SDGsの前身はMDGsとなります。
MDGsで達成できなかった目標やその他の問題に対してアプローチするため、アップデートされたのがSDGsです。
◆◇◆ SDGs:持続可能な開発 ◆◇◆
◆◇◆ MDGs:ミレニアム開発目標 ◆◇◆
SDGsにおける17の目標とは?
よく見るSDGsポスターは下のイメージでしょう

外務省から出ているそれぞれの目標の概要は、ここより参照してください。
※ 各目標の説明ではなく、SDGs全体を説明します。
SDGsの17の目標は、5つのPで分類することができます。
5つのPとは!
- 人間(People):目標1,2,3,4,5,6
- 豊かさ(Prosperity):目標7,8,9,10,11
- 地球 (Planet):目標12,13,14,15
- 平和 (Peace):目標16
- パートナーシップ(Partnership):目標17
人間(People) – あらゆる形態と次元の貧困と飢餓に終止符を打つとともに、すべての人間が尊厳を持ち、平等に、かつ健全な環境の下でその潜在能力を発揮できるようにする
豊かさ(Prosperity) – すべての人間が豊かで充実した生活を送れるようにするとともに、自然と調和した経済、社会および技術の進展を確保する。
地球 (Planet)– 持続可能な消費と生産、天然資源の持続可能な管理、気候変動への緊急な対応などを通じ、地球を劣化から守ることにより、現在と将来の世代のニーズを充足できるようにする。
平和 (Peace)– 恐怖と暴力のない平和で公正かつ包摂的な社会を育てる。平和なくして持続可能な開発は達成できず、持続可能な開発なくして平和は実現しないため。
パートナーシップ(Partnership) – グローバルな連帯の精神に基づき、最貧層と最弱者層のニーズを特に重視しながら、すべての国、すべてのステークホルダー、すべての人々の参加により、持続可能な開発に向けたグローバル・パートナーシップをさらに活性化し、このアジェンダの実施に必要な手段を動員する。
また、“5つのP”とは異なり、SDGsの概念モデルとして『SDGsウェディングケーキモデル』があります。
(SDGsウエディングケーキモデル:環境学者ヨハン・ロックストローム氏と環境経済学者ヴァン・スクデフが作成)
SDGsウェディングケーキモデルは、SDGsの17の目標を3つの階層「経済」「社会」「環境」で表現しています。

SDGsの17の目標に対して、日本が実施していることを以下で解説しています。
合わせて読んで理解を深めてください。
SDGsの17の目標と169のターゲットとは?
SDGsの17の目標に対して、ターゲットが設定されています。
ターゲットは2種類あり、
- 目標の中身に対するターゲット
- ターゲットを実施するための手段
となります。
例として、17の目標の1つ目「貧困をなくそう」のターゲットと掲載します。
1.1 | 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。 |
---|---|
1.2 | 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。 |
1.3 | 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。 |
1.4 | 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、全ての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。 |
1.5 | 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。 |
1.a | あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。 |
1.b | 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。 |
「1.貧困をなくそう」と同様にそのほかの目標に対しても、2種類のターゲットが設定されており、17の目標のターゲットの総数が169個となります。
目標達成のためのSDGsの考え方
SDGsの17の目標-169のターゲット-を達成するために、以下の2つの考え方を強く推奨しています。
バックキャスティングで目標達成を目指す
1つ目は、「バックキャスティング」です。

これは、未来のあるべき姿(目標を達成した世界)から、現在の姿を逆算して今実施すべき行動を見い出し、目標達成にアプローチしていくことです。
「バックキャスティング」とは異なり、現在の姿から未来のあるべき姿を「目標」として、アプローチする「フォアキャスティング」もありますが、SGDsではこちらは推奨されていません。
アウトサイドインで目標達成を目指す
2つ目は、「アウトサイドイン」です。

「アウトサイドイン」とは、自身を取り巻く外的要因・課題・問題を起因に解決方法をアプローチしていく考え方です。
つまり、社会問題を解決するため(17の目標を達成した世界を実現するため)に自身は何をすべきかと考えて行動することです。
「アウトサイドイン」とは逆に、自分(自社)が社会への影響を考えて、アプローチする「インサイドアウト」はSDGsでは推奨されない考え方となります。
まとめ
SDGsとは持続可能な開発目標であり、17の目標が設定されていること。
また、17の目標には計169のターゲットが設定されていることを説明しました。
17の目標は、5つのPで分類することができます。
また、17の目標は、3つの階層で概念モデルとしてSDGsウェディングケーキモデルで表現されていることを説明しました。
SDGsの概要は上の通りですが、個人・企業として、17の目標を達成するために、国連が推奨している『バックキャスティング』『アウトサイドイン』を説明させていただきました。
2016年から始まり、2030年まで期間はまだまだ続きます。
企業・個人で自身の可能な範囲で取り組みを考えて見てください。
こちらの記事も確認してみてください。
”日本の取り組み”と“世界のトレンド”を簡単解説しています。
コメント